useradd コマンド
ユーザーアカウントを作成します。
書式 useradd [ オプション ] [ ユーザー名 ]

オプション   内容
-c <コメント>   /etc/passwdファイルのコメントフィールドを指定する
-d <パス>   ホームディレクトリのフルパスを指定する
-u <UID>   UID(ユーザーID)を指定する
-g <グループ名/GID>   プライマリグループを指定する
-G <グループ名/GID>   プライマリ以外に所属するグループを指定する
-s <パス>   ログインシェルのフルパスを指定する
-p <パスワード>   パスワードを指定する
-D   デフォルトの設定値を表示または設定する

 useraddコマンドはユーザーアカウントを作成するコマンドです。
 -pオプションでユーザ作成と同時にパスワードを設定することができますが、このオプションで指定するパスワードは平文ではいけません。マニュアルによるとcryptという暗号化関数を用いて平文のパスワードを暗号化した戻り値を指定しなければならないのです。
 以下にperlcrypt関数によって暗号化したパスワードを-pオプションに指定してユーザー(testuser)を作成する例を示します。


 crypt関数の第一引数「********」には平文のパスワードを指定します。第二引数「**」には集合[a-zA-Z0-9./]の中から任意の2文字を指定します(この2文字は暗号化に使われます)。
 上記のようにユーザー作成と同時にパスワードを設定するのは多少わかりずらいため、useraddコマンドでユーザーを作成後、passwdコマンドでパスワードを設定するのが一般的なようです。

 -Dオプションを指定すると、デフォルトの設定値を確認できます。デフォルトの設定値とは、オプションなしでユーザーを作成したときに設定される値のことです。
実行例1

 各項目は次のような意味を持ちます。
項目   意味
GROUP   ユーザが属するプライマリグループID(ただし、ディストリビューションによってはこのデフォルト値が使われず、新規作成ユーザ専用のグループを作成し、そのグループをプライマリグループとするものもある)
HOME   各ユーザのホームディレクトリの親ディレクトリ
INACTIVE   ユーザのパスワードの使用期限が切れてから、そのユーザのアカウントが無効になるまでの日数(「-1」のときはこの機能が無効
EXPIRE   ユーザアカウントが使用不能になる日付
SHELL   ログインシェル
SKEL   ホームディレクトリ作成時にコピーするファイル(スケルトンファイル)を格納するディレクトリ

 デフォルトの設定値を変更するには、-Dオプションの後に、変更したいオプション名および値を指定します。下の例ではデフォルトのログインシェルを「/bin/false」に変更しています。
実行例2


ヒント
 ・ログインシェルを「/bin/false」にすると、そのユーザはLinuxにログインできなくなります。WindowsクライアントからLinuxファイルサーバにアクセスする際に使用するアカウントのように、Linuxに直接ログインする必要がない場合に、このように設定することがあります。
 ・作成されたアカウント情報は/etc/passwdファイルに保存されます。
 ・ユーザーIDの「0」から「99」までは通常システム用に予約されているので、新規にユーザーを作成すると「100」以上で、かつ他の既存のユーザーIDより大きな、最小の整数であるユーザーIDが割り当てられます。(ディストリビューションによっては、「500」以上の場合もあります。)-uオプションを使用してユーザーIDを指定することもできます。



ユーザー管理コマンド
useraddユーザーアカウントを作成
usermodユーザーアカウントを変更
userdelユーザーアカウントを削除
passwdユーザーのパスワードを設定
groupaddグループを作成
groupmodグループを変更
groupdelグループを削除
gpasswdグループのパスワードを設定
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