学生のころ、経済学部の友人が「簿記受けなきゃな〜」とつぶやいていたのを覚えています。私は理学部で、簿記がどんなものであるか全然知らなかったし、興味もありませんでした。
そんな私が簿記を受けることになったきっかけは、仕事でERPの開発に携わるようになったからです。ERP(Enterprise Resource Planning)とは、会社の基幹業務を統合的に管理するための手法およびそれを実現するソフトウェアです。
もともとWeb系・オープン系の開発をしていた私ですが、ひょんなことからERPの開発をすることになったのです。言語はVB.net(C#)、DBはSQL Serverで技術的にはそれほど問題はなかったのですが、お客さんの業務の内容を理解し、それをシステムに反映するのは大変な作業でした。
その過程で、ERPパッケージの開発の前提条件として、簿記というものを理解しておいたほうがよいと感じ始めたのです。
そして1ヶ月ほどの勉強で3級、2ヶ月ほどの勉強で2級を取得しました。
取得してみて思うのは、仕事に役立つからというのはもちろん、社会人として知っておいたほうがよいということです。世の中のしくみがわかるというと大げさかもしれませんが、今まで如何に自分が何も知らなかったかがよくわかりました。なんせ「売掛金」、「買掛金」の意味すら知らなかったですから。
今までだったら聞き流していたであろうニュースも、よく理解できるようになりました。「貸倒引当金」、「評価損」、「決算」、「原価」、「減価償却」などのキーワードに自然と反応するようになりました。
自分は理系だから文系は勉強する必要ない(したくない)と、特に学生のころ思っていましたが、当然そんなことはないですね。簿記の3級くらいの内容は普通科の高校で必修にしてもいいのではないかとさえ思います。(商業科の高校では、人によっては1級とか取っちゃう人もいるようですね)
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