「事業主貸」勘定の仕訳
事業で儲けたお金を生活費に回したら、事業主貸勘定に振り替えます。
 私は初めての確定申告にあたり、次のような疑問を持っていました。

 「事業で儲けたお金を生活費に回したら、事業主貸勘定で仕分けするというけれど、全額生活費に回して、現預金勘定を全額、事業主貸勘定に振り替えたら、現預金の残高は0となって、納めるべき税金も0になってしまう??」

 当然、納めるべき税金は0とはなりません。

 「事業主貸」は資産、「事業主借」は負債の勘定で説明しているように「事業主貸」勘定は「現預金」と同じ資産の勘定なんですね。

 したがって、「現預金:600万円、事業主貸:0円」でも、「現預金:0円、事業主貸:600万円」でも会社としての資産の総額は600万円で全く変わりがありません
 わかりやすく言えば、この600万円から必要経費を除いた金額に税率をかけて、納めるべき税金を計算するわけです。

 では次に、実際の仕訳を見てみましょう。
 例えば事業用の口座と、個人用の口座を分けて使用している場合、ある月の事業用口座と個人用口座の内訳が下記のようになっていたとします。(3/15に売掛金が回収され、その日のうちに全額を個人用口座に移したとします。)

   事業用口座
日付 摘要 残高
3/15 ○○株式会社 500,000   500,000
3/15 出金   500,000 0

   個人用口座
日付 摘要 残高
3/15 入金 500,000   500,000
3/17 出金   30,000 470,000
3/20 生命保険料   10,000 460,000
3/25 出金   120,000 340,000

 このときに必要な仕訳は下記のようになります。

3/15 現預金 500,000 / 売掛金 500,000
3/15 事業主貸 500,000 / 現預金 500,000

 回収した売掛金を全額、生活費に回しているわけです。
 全額生活費にまわしたので会社(事業用口座)に残る現預金は0となります。
 個人用口座に移した後、それを個人的にどう使おうが記帳の必要はありません。(個人用口座のお金の動きは記帳する必要はありません。)

 このように、事業用の口座と、個人用の口座を分け、月に1回くらいの頻度で生活費を事業用口座から個人用口座に移し、現預金勘定から事業主貸勘定に振り替える仕分けを行うというのが理想的でしょう。

 では事業用口座と個人用口座を併用している場合はどうなるでしょう?

   併用口座
日付 摘要 残高
3/15 ○○株式会社 500,000   500,000
3/17 出金   30,000 470,000
3/20 生命保険料   10,000 460,000
3/25 出金   120,000 340,000

 このときに必要な仕訳は下記のようになります。

3/15 現預金 500,000 / 売掛金 500,000
3/17 事業主貸 30,000 / 現預金 30,000
3/20 事業主貸 10,000 / 現預金 10,000
3/25 事業主貸 120,000 / 現預金 120,000

 個人的な出費のつど、事業主貸勘定で仕訳することとなります

 事業用口座と個人用口座は分けるのがベストですが、私は分けませんでした。(退職と開業でバタバタしてそこまで手が回りませんでした。)

 私の口座明細は上記の「併用口座」の例のように月に1回、売掛金が回収される以外はほぼ全て個人的な支出でしたので、通帳残高と帳簿残高(現預金勘定残高)を一致させるためには、それらの支出のつど、いちいち事業主貸勘定で仕訳しなければならなかったのですが、そこまでしませんでした。

 実際に行った仕訳は、毎月の売掛金回収の仕訳だけです。
 結果として現預金勘定は毎月どんどん増えて行きます。そして、たまった現預金勘定を期末(廃業時)に一括して事業主貸勘定に振り替えました。


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