みなさんは個人事業主の月報酬50万円を高いと思いますか？安いと思いますか？
私がフリーのSEとなって最初の案件で提示された金額が月50万円でした。
前にいた会社は月の手取りが30万円に満たなかったですし、ボーナスカットや給与の遅延などが1〜2年続いていたので、契約書の月額\500,000の数字はそのころの私にとっては魅力的なものでした。
しかし、個人事業主の月報酬50万円は決して高くありません。
以下にその理由を挙げてみたいと思います。
１．健康保険料・年金保険料
健康保険料は会社折半分も自分で払わなければならなくなるので会社員時代と比べて約２倍となります。
また専業主婦の妻などがいる場合、会社員時代は支払う必要のなかった妻の分の年金保険料を支払う必要が出るため、年金保険料も約２倍となります。
そしてこれらの保険料は月額50万円の中から自分で支払わなければなりません。私の場合、健康保険料と年金保険料合わせて6万円弱でしたので、この時点で月額44万円となります。
２．所得税
個人事業主は１年間が終わった時点でその年の所得が確定し、確定申告を行うことによって１年分の所得税をまとめて納めます。
会社員時代は毎月の給与から所得税の見込み額の1/12を天引きしておいて（源泉徴収）、その年の所得が確定する年末に、差額を年末調整します。
簡単にいうと、会社員時代は毎月所得税を分納していたのですが、個人事業主になると１年分の所得税を一括で後払いするようなものです。
年間の所得税を仮に12万円と見積もって毎月に按分すると考えると、この時点で月額43万円となります。
３．住民税
住民税は特別徴収から普通徴収に切り替わり、自分で納付しなければなりません。
年間の住民税を仮に12万円と見積もって毎月に按分すると考えると、この時点で月額42万円となります。
４．交通費
私の場合、交通費込みでの月報酬でした。
常駐先までの定期代が約2万円でしたので、この時点で月額40万円となります。
５．月の労働基準時間によっては残業代がつかない
契約には月の労働基準時間というものがあります。私の場合、月に140〜200hとなっていました。
この場合、「月に140時間以上働けば月報酬50万円は保証しますよ」ということです。逆に「月に200時間を超えなければどんなに働いても月報酬50万円ですよ」ということでもあります。
私が前にいた会社では定時は9:00〜17:30（うち昼休み1hなので実働7.5h）でした。月に20日出勤するとした場合、7.5h × 20日 ＝ 150hです。
この基準で考えると、月の労働基準時間が140〜200hの場合、50時間残業しても残業代が出ないということになります。
残業の時間単価を\2,000とすると、\2,000 × 50h ＝ \100,000です！！
私の着いた案件は火を吹いていて、毎月の勤務時間が200時間を優に超えていたので、50時間の残業代込みで月額40万円ということになります。
ということは、残業代を除くと月30万円ということになります。
（※残業が全くないような案件だと、月額40万円のままなので話は変わってきます。）
６．ボーナスがない
個人事業主には当然ボーナスがありません。ボーナス込みでの月報酬と考えましょう。
７．案件がないと無報酬
会社員のときはどんなにヒマでも給与が貰えますが、個人事業主は案件に着いていないと無報酬です。
私は最初の案件が終わってから2週間は思いっきり休みました。案件が激務だったこともあり、のんびり過ごしました。
しかし2週間くらい経つと、次の案件が決まっていないことに焦りを感じ始めました。
結局、知人の紹介で別の会社に就職することになったわけですが、自分で案件を探したり、知人に案件がないか聞いてまわった1,2週間は不安なものでした。
個人事業主は常に案件に着けるわけではないというリスクも考慮しなければなりません。
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